第3歩 空間は基準

第3歩 空間は基準

 

新しい家具や家電を購入するとき、あなたなら何を考える?

大きさ・高さ・距離感・向きなどを瞬時に判断し、生活空間をイメージしながら選びませんか?

そのとき「空間を認識している」と意識する人はほとんどいない。
空間は、あまりにも身近な存在であるため、その存在を意識することなく生活している。

しかし、空間を認識できなければ、部屋の中を歩くことも、家具を置くことも、自動車を運転することもできません。
イメージするだけでは見えてこない。
答えは現場にある。

もちろん、スポーツにおいても同じです。
相手との距離やボールの位置、自分の身体の位置・方向を正確に把握できるのは、わたしたちが常に空間を認識しているからです。

わたしたちは、毎日空間の中で生活していることを、少し感じてみませんか?

では、その空間は何を基準に認識しているのでしょうか。

前の歩(章)では、身体には重力を基準として認識する水平が存在し、その水平が空間認識のベースとなることを説明しました。

視覚は、建物や家具、道路など周囲の情報から相対的な水平を認識します。
一方、身体の中には前庭器官によって認識される重力基準の水平があります。
この二つの情報が一致することで、わたしたちは初めて安定した空間を認識することができます。

つまり、空間とは目で見ている景色ではありません。
身体が重力を基準として認識している世界です。

近年、パブリックビューイングの普及により、現地へ足を運ばなくてもスポーツ観戦を楽しめるようになりました。
大勢の人と大型スクリーンを囲んで応援すると、まるでスタジアムにいるような臨場感が生まれます。

映像は平面のスクリーンに映し出されているだけです。
それでも、その場の雰囲気が、スクリーンを越えて、あたかも「現場」にいるかのような感覚を生み出します。

空間とは、場所そのものではありません。
そして、身体が認識した瞬間、その場所は意味を持った空間(Field)になります。

読者よ、Fieldに降りてこい。